活動報告

当研究所で行った活動をご紹介しております。
当研究所主催イベントや当研究所が行った講演等をご紹介しております。

活動報告

埼玉県杉戸町教育委員会で講演を行いました

5月10日(火)に埼玉県杉戸町教育委員会で開催された「令和4年度杉戸町教育研究会」において、当研究所上席研究員の目黒朋子が「リーディングスキルを活用した授業づくり」と題した講演を行いました。

 講演では、まず、RST受検後にRST事務局から送付される受検者の分析結果(csvファイル)を活用した分析方法について説明しました。「リーディングスキルを活用した授業づくり」をするためには、RSTの結果を科学的かつ客観的に分析・把握することが必要です。
一つは「マクロ」の視点で、学習集団内の読解の癖やばらつきを散布図や箱ひげ図により分析・把握します。
もう一つは「ミクロ」の視点で、読解に特徴ある個人や子ども一人ひとりの読解力の実態を分析・把握します。
そうすることにより、学習集団や個人の実態に応じた手立てや支援等を考え、授業実践することが可能になります。

 次に、教員が「解像度高く教科書を読む」ということはどういうことなのか、実際の教科書の文章を提示して、RSTの6分野7項目のどのスキルを使って読めばよいのかをお伝えしました。
また、教科書は教科による独特な表現もあり、児童生徒によってそれが読解を困難にしている可能性があります。
例として、社会科の教科書でよく見る表現である「連用中止法」を示して、社会科をよく理解するにためは、連用中止法のうちで、どれが原因で、どれが並列かを、読み解く力が大切であることもお伝えしました。

 最後に、板橋区教育委員会や福島県教育委員会で実践されている、授業実践事例について紹介し、RSTから授業を「逆算」して構築していくことの重要性についてお話しました。


参加者からは、「RSTの意義や、教科書を読むことの難しさと大切さを改めて感じた。」

「照応解決の「これ」「それ」等の指示語やゼロ照応などを確認しながら授業を進めたい。」等の感想をいただきました。

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大阪市教育センター「言語能力育成研修」で講演をします。

大阪市は全市を挙げて読解力向上に取り組んでおり、その中でRSTを導入する学校が増えています。RSTを導入する学校が増えれば増えるほど、「(うちの学校の生徒の読解力が)低くて分散が大きいことはわかったけれど、指導要領の内容も教えきらないといけないし、コロナ対策もあるし、それでなくても多忙なのに、これ以上どうすればいいのだろう?」という気持ちになるのは自然なことだろうと思います。

大阪市教育センターでは、今年度、全小中学校1枠で教員がRSTを体験した上で「言語能力育成研修」を受講する、という「言語能力育成研修」を企画しました。その研修部分の講演を新井紀子が担当し、先日収録が終わりました。

講演では、実際に中学校の理科の教科書を提示しながら、それを正確に読解するには、RSTでいう6分野(係り受け解析、照応解決、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定)が不可欠であることをまずお伝えしました。

RSTの観点は決して特殊なものではありません。テキストと、図表、グラフなどのRSTで言うところの『イメージ』で構成されている教科書の内容を児童・生徒が自ら進んで読み、理解する上で避けて通ることができないものです。リーディングスキル(RS)が低い児童・生徒は、教科書を読み解くことを諦め、プリント学習や暗記学習に流れてしまいます。そういう学習では、自ら学ぶ中で好奇心がかき立てられ、さらに学ぶという好ましいサイクルを望むことは難しいでしょう。

遠回りに思えても、発達段階に合わせてRSや語彙量を伸ばすことで、「読んで理解して興味を深める」ことにつながるのです。逆に言えば、RSがない状態では、一過性の興味をひく『おもしろい授業』や最適化したデジタルドリルだけでは、教員側が期待するような学びの持続は期待し難いといえるでしょう。

これまでのRSTのデータから、入試がない公立中学1年生に比べると、同じ地域の中高一貫の公立高校の中学1年生の方がRSが圧倒的に高いことがわかっています。また、ある県の3年間の調査から、県立高校の偏差値とその高校に入学した高校1年生のRSTの能力値の平均値との相関係数が0.85あることがわかりました。県立高校の入試では、学力テスト・内申書等を総合的に判断しますから、総じてRSが高い生徒ほど、普段から学びに対して積極的に取り組む生徒だといえるでしょう。

講演では、RS先進自治体である東京都板橋区や福島県のF-Laboなどの事例を紹介しつつ、「普段の授業の中で」RSを意識した授業を進めるコツをお話ししました。

今回の講演で、いくつか質問をいただきました。以下、FAQとしてみなさんと共有します。

Q:小学5年生の担任をしています。自分のクラスの児童がどんな問題を解くことになるか知りたいです。RSTを受検するとき、大人向けではなく、小学生向を受検したほうがよいでしょうか。

A:RSTではその学年までに得ているはずの知識などで出題範囲を絞るとともに、学年配当漢字以外にルビをふるなどの配慮をしています。また小学生向けには「やさしい言い回しの指示文」が表示されます。一方、RSTの問題の難易度を見ると、出典によって難易度が大きく変わることはありません。つまり、小学校の教科書出典の問題でも、高校の教科書出典の問題でも、そのことだけで難易度が変わるということはありません。RSTは受検者の能力に最適化した問題を出題しますから、自分のクラスの「RSに課題がある子」がどんな問題を解くかを体験することはできません。むしろ、先生方は、「大人向けRST」を受検し、「自分が受け持っている子供たちは、数年後にはこういう文章も読解できるようにならなければならないのだな」と思いながら、今日の授業の設計をしていただくのが良いのではないかと思います。

Q:「イメージ同定」の「イメージ」とはどんなものを指しますか?イラストや写真ですか?

A:「イメージ=非テキスト情報」と考えてください。教科書には、図・表・グラフのほか、数式・譜面など様々な非テキスト情報が登場します。文章題を読解し、立式するという行為は、テキスト(文章題)からイメージ(式)を導く推論、あるいは同義文判定活動と考えることができます。

Q:やはりRSTを伸ばすには読書を奨励することがいちばん大切ですか?

A:読書を奨励すること自体は良いことだと思います。一方で、読書が大好きなのに、算数・数学や理科が不得意という児童生徒は少なくありません。それは、読書だけではRSTが提唱する「汎用的読解力」は身に着かないことを示しています。思い切って、読書の対象に教科書を加えてみてはどうでしょう。その日学ぶ教科の該当箇所を見開き2ページ読んでおくだけで、いつもより授業がわかる、という体験をさせてみると、子どもたちの教科書を見る目が変わるかもしれません。

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リーディングスキルフォーラム ふくしま2021 が開催されました

2022年2月27日(日)「リーディングスキルフォーラムふくしま2021」が開催されました。今回は、コロナ禍ということでオンライン配信にて実施されました。
当日は福島県内をはじめ全国から約130名方が参加され、盛況のうちに開催することができました。

 まず、当研究所所長の新井紀子の挨拶があり、その後、rst-laboふくしま(通称:F-Labo)の会員である、福島県教育庁義務教育課の加藤政記指導主事から、F-Laboの活動内容についての報告がありました。
F-Laboは、「子どもたちの読解力に対する危機感」を持っている福島県内の小・中・高・大の先生方のRST勉強会であること、読解力向上を意識した授業の在り方を検討することを通して、教員の指導力向上を図り、子どもたちの読解力向上につなげていることなどの説明がありました。
ここ1年はコロナのためにオンラインで開催されることも多くなり、それに伴い県外の自治体からの参加も増えているとのことでした。

 講演の部では、まず、『共書きそれは聴写視写 ~書かなければ先に進まない~』と題して、NPO法人授業高度化支援センター代表の鏑木良夫先生より、共書きの効果、共書きの手順、共書きの意義について、具体的な授業例も交えてご講演いただきました。
参加者からは、「実際に聴写を経験したことで、児童生徒が板書を写す時間は生徒にとって頭を使わないただの作業の時間だったということに気づかされた。言葉を意識化させるために今後授業に取り入れていきたい。」などの感想が寄せられました。

 次に、『RSTの観点で教科書を読み授業改善に活かす ~係り受け解析・照応解決に着目して~』と題して、当研究所主席研究員の菅原真悟より、リーディングスキルテストの6分野7項目についての説明、記述式テストの結果から見える児童生徒の読解力の問題点、さらには「推論」と「推測」の違いや「イメージ同定」と「イマジネーション」の違いについての話がありました。
さらに、教師がRSTの観点で教科書を読みなおし、発問を工夫し授業づくりすることの大切さについて解説がありました。
参加者からは、「具体的な例が豊富でわかりやすかった。RSTの出題意図がよく分かり、RSTの理解が深まった。イメージ同定とイマジネーションの違いなど勉強になった。」などの感想が寄せられました。

 最後に、東京学芸大学准教授の犬塚美輪先生より『教科の読解力育成を評価の観点から考える』と題した講演がありました。
「なにをなぜ評価したいのか明確化しよう」ということで、アメリカの教育心理学者Bloomの評価理論(診断的評価、形成的評価、総括的評価)にあてはめながら、多くの示唆に富んだご講演をいただきました。
最後、「Take Home Messages」として以下の4点が重要であるとまとめられました。

 ○測定・評価のためには明確な到達目標が必要

 ○RSTの意義は、主に診断的評価にある

 ○評価することは明示して教える。教えたことは評価する

 ○意識的に形成的評価を行う

 参加者からは、「RSTのスコアを向上させることが目的だと思っていたが、今回診断的評価で有効であることがわかった。日々の授業でカリキュラムとつなげて評価を考えていきたい。」などの感想が寄せられました。

 

 今後、F-Laboのような取り組みが全国に広まり、RSTを軸とした授業研究・授業実践が広まっていくことを期待したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

F-laboのロゴマーク。たちあおいの花言葉:「大望」「豊かな実り」。

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茨木市教育委員会で講演を行いました

茨木市教育委員会は、「一人も見捨てへん教育」を実現するため令和2年度から6年度までの5か年計画で「茨木っ子ネクスト5.0」というプランを策定しました。そのプランの4本柱の一つに「確かな言語力を育む」が掲げられ、小学校のモデル校3校において昨年度からRSTを受検し、確かな言語力を育むための授業づくりが行われています。

今年度は、当研究所上席研究員の目黒朋子が依頼を受け、「令和3年度茨木市教育委員会学力担当者会」において2回オンラインで講演を行いました。

1回目は2021年6月30日に開催され、「RSTの受検結果分析と生かし方」と題し講演を行い、RSTの受検結果を正しく分析しどこに処方箋をあてていくのかを明確にすることが必要であること、教員自身が教科書を解像度高く読んで授業づくりをすることが重要であることをお伝えしました。

2回目は2022年1月28日に開催され、初めにモデル校の先生からは今年度の読解力向上のための取り組みについて、茨木市教育員会の岡田指導主事からは「昨年度より係り受け解析や照応において、全体的に能力値が向上し低位層の児童が減少している」こと、「全国学力・学習状況調査においても、国語の『読むこと』で結果が良好であった」ことなどの報告がありました。その後、上席研究員の目黒が「リーディングスキルを意識した授業づくりとは」と題した講演を行い、実際の小学校5年生社会科のリーディングスキルを意識した授業の紹介と、リーディングスキルの観点で教科書を読み授業にどのように落とし込んでいくのかについてお伝えしました。

 

茨木市教育委員会では、来年度はモデル校を中学校にも広げ、小中連携して読解力向上に向け更に取り組んでいくとのことです。

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戸田市立笹目小学校で講演を行いました

戸田市教育委員会は、将来の予測が困難な時代においても、主体的に判断・行動し、よりよく問題を解決する資質・能力を確実に育むことをねらいとして、平成28年度より、リーディングスキル(以下RS)育成を最重要課題の一つとして授業改善に取り組んでいます。

2021年12月8日(水)に、戸田市立笹目小学校において研究委嘱発表会が開催され、当研究所所長の新井紀子が「AIに負けない子どもを育てる~リーディングスキル育成を通じて~」と題して講演を行いました。

まず、当日の研究授業で扱った「日本の工業の特色」の帯グラフを読み取ることは、小学5年生にとって難しい内容であるが、ただ知識を伝達するのではなく、グラフの読み方を学習スキルとして学ぶ良い授業であったと講評しました。

毎日の授業で意識して児童生徒の学習スキルを高めていくことが大切であり、例えば「分かっているよね。」と問うのではなく、どのように学べばよいかを教える授業や学習スキルが身に着いているかどうかをチェックする授業が全国に広まり、授業の質を向上させていくことが重要であると指摘しました。

講演では、2011年の東ロボプロジェクトからRSTプロジェクトをスタートさせた経緯やRSTの狙いについて紹介し、さらに、他の教育委員会が公表しているRSTと全国・学力学習状況調査(学テ)との相関や研究チームの分析をもとに、読解力を義務教育段階で身に着けさせることの重要性についても指摘しました。

当日は、オンライン配信が行なわれ、北は北海道から南は九州まで全国の教育関係者の視聴があったそうです。
また、戸田市教育委員会のFacebookでも当日の様子が公開されています。

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深谷市立南中学校で講演を行いました

深谷市立南中学校は、深谷市教育委員会から研究委嘱を受け、「RST(リーディングスキルテスト)を活用し、言語環境の整備と言語活動の充実を基にした学力向上の推進~学習の基盤となる資質・能力の育成を目指して~」を研究主題として、2年間の研究に取り組んできました。

2021年11月10日には「令和2・3年度深谷市教育委員会委嘱研究発表会」が開催され、研究授業の公開および2年間の研究成果が発表されました。当日は、当研究所主席研究員の菅原真悟が「RSTを活用した授業革新」と題した講演を行い、リーディングスキルの観点で教科書を読む方法や、実際の授業例の紹介をしました。

当日の様子は、深谷市教育委員会、深谷市立南中学校のHPにも掲載されています。

深谷市教育委員会 市教育委員会研究委嘱 研究発表会

深谷市立南中学校 深谷市教育委員会委嘱研究発表会

 

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燕市の研修会で講演を行いました

10月7日(木)に開催された「RST分析研修会(研究主任会)」において、当研究所主席研究員の菅原真悟が「RSTのねらいと結果の活かし方:AI・DX時代に求められる読解力を育む」と題した講演を行いました。

新潟県燕市は、子どもたちが人工知能(AI)に負けない能力を身に付けるために、「読解力」育成プロジェクトを今夏より開始しています。文章を正しく読み解けるかを測るためにリーディングスキルテストを全市立小中学校で導入し、分析結果を基に授業改善を進めています。

8月2日には、当研究所所長の新井紀子が「AIに負けない子どもを育てる」と題して「読解力」育成の重要性、必要性について講演を行いました。また、9月7日には、筑波大学附属小学校副校長の夏坂哲志先生から「算数の授業と読解力」と題して小学校算数科における「読解力」育成についての研修(第4回教科指導プロフェッショナル研修)を実施しています。

これらの講演・研修を受け、10月7日のRST分析研修会では、まずRSTの6つの観点についてあらためて解説し、今年の受検結果の分析、各学校の傾向についての分析結果を報告しました。どの学校でも読めている児童生徒と読めていない児童生徒の分散が大きく、特に、読めていない児童生徒の読解力を育成することが公教育の課題であると指摘しました。

また、読解力を育成するために、日々の授業の中に読解力を育成する観点を入れて授業を行うことが大切だとお伝えしました。

コロナ禍のため当日の研修会はオンラインでの開催となりましたが、市内の小中学校の研究主任および管理職の先生方30名以上の参加があり、また、当日の講演内容は、燕市内小中学校教職員限定の共有ドライブでも限定公開されました。

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リーディングスキルフォーラム2021を開催しました

多くの皆様にご参加いただきまして誠にありがとうございました。
事前にお申込いただいた方は、アーカイブ配信を12月28日までご覧いただけます。

システムの不具合で、30日にアーカイブ動画を視聴できないトラブルが発生しました。
ご覧いただけなかったこと深くお詫びいたします。申し訳ございませんでした。


リーディングスキルフォーラム2021

「読める」とはなんでしょう。漢字が読め、正しく音読できることでしょうか。文章に出てくる言葉の意味を知っていることでしょうか。読書好きを自認する人は、どんな文章(マニュアルや理数系の教科書等)でも巧みに読めるものでしょうか。「読めない人」が「読めるようになる」にはどうしたらよいのでしょう。

当たり前なようでいて、実はよくわからない「読める」。

それを科学し、様々な角度から実践していく場がリーディングスキルフォーラムです。2021年はオンラインで開催します。皆様、奮ってご参加ください。

日時:2021年11月28日(日) 13時30分~17時30分
方式:オンライン(ライブ配信および1カ月のオンデマンド配信)
※ライブ受信・オンデマンド受信のどちらも事前のお申込みが必要です。お申込みは終了しています。

主催:一般社団法人 教育のための科学研究所(代表理事・所長 新井紀子)
協力:rst-laboふくしま
後援:読売新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、東京新聞、西日本新聞社、日本経済新聞社、琉球新報社、株式会社三省堂、株式会社第一学習社、株式会社ポプラ社(順不同)

13:30~13:35  開会(菅原真悟)
13:35~13:40  開会挨拶(新井紀子)
13:40~14:25  研究発表
          小学生の基本的学習スキル
          ーコホート調査から見る子どものつまずきやすさと教員評価との関連ー
          犬塚美輪(東京学芸大学)、登藤直弥(筑波大学)
14:25~15:05  実践報告1
          「読み解く力」を育成するカリキュラムとその実践(板橋区教育委員会)
          中川修一(板橋区教育長)
          堀内雅一(板橋区教育委員会指導主事)
          小澤裕行(板橋区立板橋第二小学校校長)
15:05~15:20  休憩
15:20~16:20  模擬授業とその解説
          「日本の工業生産の特色」(東京書籍「新編 新しい社会5年下」p6-7より)
          新井紀子(一般社団法人 教育のための科学研究所,国立情報学研究所)
16:20~17:10  実践報告II
          RSの視点から子どもの実態をとらえた授業づくりについて(rst-laboふくしま(福島県))
          志賀匡行(福島県教育委員会指導主事)
          菅野千恵(本宮市立岩根小学校教諭)
17:10~17:20  閉会挨拶(新井紀子)

 

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「板橋の i(あい)カリキュラム」読み解く力 中間報告会が開催されました

東京都板橋区では読み解く力の育成を目指して、独自に「板橋 i(あい)カリキュラム」の開発を行っています。12月3日(木)には、板橋区立文化会館において「板橋の i(あい)カリキュラム」読み解く力 中間報告会が開催され、当研究所所長の新井紀子がパネルディスカッションのファシリテーターを務めました。

 
パネルディスカッションに先立って、板橋区教育委員会の中川修一教育長から、society5.0に向けて、板橋区では言葉の意味を理解して考えるといった人間ならではの優位性を10年間のカリキュラムの中で育成していきたいとお話がありました。


そして、今後の取組として、①板橋区がめざす「読み解く力」について理解する、②教科書で学ばせることをめざす、③6つのリーディングスキルの観点を最低1つは日々の授業に取り入れる、④児童生徒に自分の考えを書かせアウトプットする場面を入れる、⑤日常的な取組として継続していく、ことを行っていくと説明がありました。

 

 次に、板橋区教育委員会の水谷知由統括指導主事より、板橋区の取り組みについて解説がありました。

水谷統括指導主事は、読むことができていない子どもに「教科書を読めば分かる」と指導しても内容を理解できないので、「読んでも分からないかもしれない」と考えて指導するなど、指導観の更新が必要であることを強調されていました。

また、コロナ禍で学校が一斉休校のときに、児童生徒に学習プログラムの提供を行ったところ、一人では十分に学ぶことができず、保護者が付き添わなければならなかったケースもあり、自己学習力・自己決定力の重要性が改めて明らかになったそうです。
そして、授業革新の3つの原則として
①教科の目標の達成をめざす
②子どもたちに教科書を読み取らせる
③この言葉の意味を理解しているか?と疑問をもって授業をする
の3つを常に意識して、主たる教材は教科書であり、教員が教科書を研究して授業を行うことが重要であると述べられていました。

 

続いて、パネルディスカッションでは、板橋区立小学校の校長をはじめ、区内学校の研究主任2名、教員2名、板橋区教育委員会の指導主事1名が登壇し、子どもたちの「読み解く力」を育成するためには、どのような点に注意すべきかが議論されました。

登壇された先生方からは、「指導書から授業をつくるのではなく、一から教科書を読んで授業を作る」「子どもたちに、なぜ?どうして?と問いかける時間を大切にしている」「最後に教科書を開くだけ、という授業から脱却する」「教科書をよく読んで、子どもたちが躓きそうな箇所を調べておく」「指導観の変換は評価観を変えること」といった発言があり、教科書で教えるために普段どのような点を意識されているのかがよく分かりました。

ディスカッションの最後に、教育委員会指導主事からは、先生方が使いやすいと感じるカリキュラムの作成をめざしていく、また、これからの授業研究等を通して「板橋メソッド」を提案したいと発言がありました。

パネルディスカッションのまとめとして、新井からは、板橋区立の学校には1800人の先生がいて、一人ひとりが「教科書を使い倒す授業」を改めて考えることが大切。教科書をもう一度読み直してみてほしい。ここを試験に出す、ここがポイントと思わずに、まずは教科書を読むことを第一歩としてやってみてほしいとアドバイスを行いました。

 

 

今回の中間報告会では、板橋区が新しく作成した板橋のiカリキュラムのパンフレットが配布されました。当パンフレットでは、読み解く力の育成のために、どのように授業改善を行えばよいのかが分かりやすくまとめられています。これをベースに板橋区で読み解く力の育成がさらに進むことが期待されます。(RST事務局)

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板橋区学びのエリア「板橋のiカリキュラム開発重点校」研究授業が実施されました。

12月3日、板橋区の学びのエリア「板橋のiカリキュラム開発重点校」で令和2年度、3回目となる研究授業が実施されました。今回は、板橋第二小学校での小学5年生社会科の研究授業の様子をご紹介します。

今、板橋第二小学校の5年生の社会科では、日本の工業生産の中盤にさしかかっているところです。科学技術立国といわれる日本において、どんな工業が誰によってどのように支えられているのかを5年生の段階で理解をしておくことは、日本がこれからどのような国になっていくのか、また、自分がその国でどのような産業の担い手になっていくのかを想像する上でも重要な単元です。

今回の研究授業では、「小学社会5」(教育出版)の156ページ~157ページを学びます。この授業案を考案した山田禎文先生は、この2ページを何度も何度も読み込んだそうです。

高学年になると教科書は抽象度を増すだけでなく、異なるレイヤーの資料が見開き2ページに詰め込まれていることがわかります。黒で囲まれているのが本文、それ以外に青で囲んだ資料、薄い青で囲んだコラム、ピンクで囲んだ「強調したいポイント」(ただし、まとめではない)、加えて、緑で囲んだ「問い」があります。資料にも、統計のグラフや表、地図、そして本文の一部を強調するための写真やイラスト、歴史の場合には当時の風刺画なども含まれています。

教科書の本文を読み解くことが難しい児童にとって、このような本文と資料の関係性を把握することはさらにハードルが高いことです。そして、それはまさに近年重視されている「多様な資料を参照しつつ、自らの考えをまとめていく」PISA型読解力は、まずは教科書の見開き2ページを十分に活用して読めるようになること、から身に付けていくべきでしょう。

 さぁ、この2ページの「読解」を山田先生はどのように設計したのでしょう。授業に沿って、紹介したいと思います。

今日のめあては「大工場と中小工場のちがいを知り、中小工場の特色や役割を読み取ろう。」です。

めあてを最初に書くことは、どこの教室でもしていることでしょう。ただし、山田先生の方法は、他と少し違います。「よく聞いて。今日のめあてはいつもより少し長くて難しい。だからしっかり聞いて書き始めよう」

つまり、声でめあてをはっきりと伝え、その意味を児童に考えさせて(頭の中で文字に変換させて)自力で書き始めさせるのです。児童が書き始めたのを確認した上で、山田先生はめあてを黒板に書き始めました。

山田先生のクラスでは日頃からそうしているようで、めあてを「聞く」ということに児童が「全集中」していることがわかります。これまで多くの教室で、めあてを先生が書き終わるのを待ってから、ただの文字列として児童・生徒が写している情景を見てきた私にとって、このクラスの「音としてめあてを聞いて、それを仮名漢字交じりの文章にする」集中度の高さが強く印象に残りました。こんなところからも「読み解く力」は育成できます。どのクラスでもその気になれば取り組めることではないでしょうか。

めあてを書き終えた後、山田先生は驚くべきことを児童に問いかけました。

「今日の授業のめあてが『大工場と中小工場のちがいを知り、中小工場の特色や役割を読み取ろう。』だとすると、今日の授業ではどんなことを学習しないといけないのかな。」

めあてから授業で何を学習すべきかを児童が考える、というのは究極のアクティブラーニングではないでしょうか。そのためには、もちろん事前に授業の全体設計をし、めあてから児童でも授業計画ができるように練っておく必要があります。

このめあてから、自然に2つの達成目標が導出されました。

  1. 大工場と中小工場のちがいを知る。
  2. 中小工場の特色や役割を読み取る。

「めあてを単に分解しただけではないか」と思う人もいるでしょう。いいえ、そんなことはありません。小学5年生の半数は、複文を単文に箇条書きで分解するだけでもつまずくのです。児童が今日すべきことを意識した上で、その2つを達成しようと思う、この小さなことが、この授業で児童が最後まで集中力と途切れさせない上で、鍵になっていたように思います。

めあての第一「 大工場と中小工場のちがいを知る。」に取り掛かります。
次に、山田先生は子どもたちにゆさぶりをかけていきます。
「大工場か中小工場か、というのはどこで決まるのだろう?」

  • 面積で決まる。
  • 働く人の人数で決まる。
  • (生産額で決まる、生産量で決まる、を入れてもよいかもしれません。)

挙手をさせると、面積で決まるという児童が何人かいました。人数で決まると言った児童も明確な根拠があるわけではないようでした。

そこで、山田先生は、「実はその定義は教科書の156ページに書いてある。どこに書いてあるか探してみよう」と指示しました。興味深いことに、成績下位の児童ほど、まず本文をべったりと読んで答えを探そうとします。目の前に「キーワード」として中小工場と大工場の定義が書いてあるのに、気付きません。成績下位の児童は教科書の「構造」が十分にはよくわかっていないようです。

指導者が「書いてあるのだから、誰でもわかるはず」との先入観をもたずに、実際に探させることで、「定義だから、『中小工場とは・・・、大工場とは・・・』と書いてあるはず」と見当をつけて探そう、という基本的学習スキルとしての検索が身に付くようになるのです。具体例同定に着目した指導です。

「わかった人はいますか?」の呼びかけで、手を挙げた生徒が数名いました。ですが、山田先生はすぐに答えを言わせずに「どこに書いてありましたか?」と尋ねました。「キーワードに書いてありました」との返事を受け、「そうだね。キーワードに書いてあったね」とクラス全員で共有すると、成績下位の子も「ああ」「あ、そうか」などと声をもらし、定義を書き始めました。
教科書上の資料から、「働く人が1~299人までの工場を中小工場という。」「働く人が300人以上の工場を大工場という。」をクラスほぼ全員が「どこに書いてあるか」を認識した上で書くことができました。

山田先生は「文章になっているかな?『という』『です』までしっかり書こう」と促しました。これも、読み解く力の出力の質を高める上で重要な指導です。実は、文章で書けるか、キーワードでしか書けないかで、高学年はどの科目でも大きな差がでます。キーワードを書けているからわかっているだろう、と流さずに、「文になっているか、なっていないか」は繰り返し指導したい点です。

(文になっていない部分を指摘され、「です」を付け加えて文章化している途中のノートの様子。ただし、「働く人が300人以上の工場を大工場です」では文にならないので悩んでいるところ。このようなつまずきを予想し、表現方法をクラスで共有することで、表現のバリエーションが各自の中で蓄積されていきます。学びのコミュニティの中で学んでいく一斉授業の良さのひとつです。)

その上で、「実は働く人が1~29人の工場を小工場というそうです。中工場はどんな工場かな?」と聞き「働く人が30人~299人までの工場を中工場といいます」と答えさせていました。

算数と社会の科目横断が実現されている、良いシーンでした。

次に、まためあての1を確認し、「違いを知るために、156ページの下の帯グラフを見て、中小工場と大工場の違いを文章で書いていこう」というイメージ同定に相当する活動を行いました。RSTでは文から正しい図を選びますが、それはテストの形式上のことに過ぎません。図から正しい説明文を書くというのもイメージ同定のむしろ高度な活動です。

グラフの特徴を3つ挙げるという課題を与えると、比較的成績の良い児童はグラフを順番に見て、効率よく特徴をあげていきます。一方、中位層以下は、グラフ全体をぐるぐるみていて視点が定まらず、迷っているうちに時間を浪費しがちです。中位層以下には机間巡視の際、「まず最初のグラフからわかることを文にしてみよう」などとアドバイスするとよいでしょう。第一のグラフから

  • 工場数は圧倒的に中小工場が多い。
  • ほとんどの工場が中小工場である。

が出てくると良いのですが、

  ・工場数は中小工場の方が多い。

のように「どれだけ」の修飾節を書けない児童がいます。この修飾節を書けないと、理科でも国語でも困ります。修飾節や形容詞を適切に書くことに対して児童がインセンティブを感じられるようになれるとよいですね。机間巡視のときに、的確な修飾節や形容詞、接続詞等を書いた児童のノートの該当箇所に赤丸をつけて「かっこいいね!」などとほめ、「〇〇さんは「主に」「圧倒的に」という言葉を使ったよ、かっこいいね」などのようにして語彙を共有する授業を心がけるとよいでしょう。表現に困ったときにぴったりとあてはまる語彙を学んだとき、語彙はもっともよく身に付くからです。

こうして、皆が特徴を挙げたことで、

  • 工場数は圧倒的に中小工場が多い。
  • 働く人の数は中小工場の方が多いが、その割合は全体の2/3程度である。
  • 生産額は大工場の方がやや多いが、中小工場と同じくらいである。
  • 機械工業では、大工場の生産額の方が多い。
  • 重工業では大工場の生産額の方が多い。
  • 軽工業では中小工場の生産額の方が多い。

などが並びました。ここで、156ページの下の左側の帯グラフは中小企業と大企業の「割合」に関するグラフであるのに対し、右側の帯グラフは「生産額」という絶対量に関する帯グラフである、ということを認識していた生徒が少なかったのがやや気になりました。本来ならば「重工業では、大工場の生産額の方が多い」と書くべきところ、「重工業では大工場の方が多い」と書いた児童が相当数いました。この2つは異義です。同義文判定が重要になるのは、このような場面においてです。ここは一歩踏み込んで、同義か異義かを確認するとさらに良かったでしょう。

ところで、2つめのグラフのラベルは「各工業の生産額にしめる中小工場と大工場の割合」です。「しめる」という言葉になじみのない児童は少なくありません。学習必須用語ですから、さらっと流さずに確認しておきたい語彙です。

ここまでで、今日のめあての半分である1が終わりました。「まだ2つめのめあてが終わっていないね」と山田先生は児童に確認させます。児童が時計に目をやり、「残り時間で2を頑張らないと」と思う様子がほほえましかったです。今日すべきことのどこまでが終わったか、とプログレスを意識する、ということは自学自習をスムーズに進めていく上でも必要になる能力です。授業時間の管理を先生が一方的にするのではなく、児童も意識することで、時間管理の方法を具体的な成功例や失敗例を体験することで学んでいくことができます。

さて、2つめは「 中小工場の特色や役割を読み取る」です。
見開き2ページの右側にそのことが書いてあります。「157ページの本文をよく読んで『中小工場の特色や役割』について書いてある部分に線を引こう。その上で、できるだけノートに箇条書きにしよう」と児童を励まします。ここは、中小工場の特色や役割が、3つの長い複文の中に埋め込まれています。その中から、児童は次のような特色を挙げました。

  • 中小工場は、情報を交かんし、協力して製品の開発に取り組んでいる。
  • 中小工場は、高い技術をもっている。
  • 中小工場は、大工場の生産を支えている。

興味深かったのは「それぞれの中小工場でもっている高い技術を生かしてつくり出される製品は、大工場の生産を支えるとともに、わたしたちのくいらしの様々な場面で使われています。」の文から「中小工場は何をもっていますか?」に答えられる児童が大変少なかったことです。係り受け解析の能力が問われる場面です。

5年生にとって「もっている」というのは、「品物を所有していること」であって、「高い技術をもっている」ということが腑に落ちないのかもしれません。「もつ」という基本語彙であってもその使い方が高学年になると変化することで、児童がつまずくということをよく把握した上で課された箇条書き課題でした。

その上で、山田先生は157ページの写真と地図に着目させました。円筒の金属から複雑な形状の部品を作っている写真です。

「これは、中小工場で生産された製品ですが、それは、今出た3つの特色のうちのどれを表した写真ですか?」

という問いかけに対して、

  • 高い技術を示した写真

という答えが多くの児童から聞かれました。手を挙げるか迷っていた下位の生徒も「ああ」という声が聞かれ、「高い技術をもつ」ということの具体イメージが持てたのではないかと思います。

次に、(やや駆け足になりましたが)157ページ右上の地図、「工場が多く集まる地域」に着目させました。まず、既習知識の確認です。

「どんなところに工場は集まっているかな」

「関東と関西」という答えもありましたが、先生が、おなかの周りをジェスチャーで示したことで「太平洋ベルト」という答えが引き出されました。その上で、さらに「どうしてここに工場が集まっているんだろう。今挙げた特徴から考えてみよう」と高度な問いかけをしました。

このような高度な問いは、特徴をあげずに問いかけると、答えが発散してしまい、どの意見が正しく、どの意見は間違っているのか、わからないまま授業が終わってしまいがちな部分です。この授業では、前もって特徴を挙げていたからこそ、

  • 協力して製品をつくるのに都合がよいから。
  • 大工場のそばに中小工場が集まるから。

など、論理的に推論をすることができました。

最後に、まとめを書いた後、各自がふりかえりを書きました。その中に、
「今日は中小工場の数や特色のことがよくわかった。次は大工場の特色について勉強したい」という意見がありました。
ところが、教科書は中小工場に多くのページ数を割いているのに、大工場については記述がないのです。

参観された文部科学省の塩見みづ枝審議官(初等中等教育局担当)は、「それは大変申し訳なかった」と苦笑しながら、「児童がこれだけ意欲をもって学んでいるので、興味関心に応える学習指導要領にしなくては」「教科書を『使い倒す』ことで、これだけ豊かな授業が生まれることに感銘を受けた」との感想を述べられました。

RSの概念に基づきつつ、しかも本来の科目の目標をしっかりと達成できた、まさに「読み解く力を育成する授業」でした。

全国どこの学校でも実践できる極めて質のよい授業を考案してくださった山田先生と板橋第二小学校に心から感謝します。

 

鉛筆ワンポイントアドバイス

小学校の授業は、通常見開き2ページで一回の授業を組み立てます。社会科では、2つまたは3つの項目で2ページが構成されています。そこで、社会科のめあてをつくるとき、各項目をまとめた複文で全体のめあてを作ると、授業をスムーズに進めやすくなり、時間切れによる取りこぼしがなくなります。

山田先生のめあても、156ページで1つ、157ページで1つという2つのめあてで、授業全体のめあてが構成されていることがわかりますね。

 ?考えてみよう

一人一台パソコンが小中学校に導入されつつあります。学校には、教科書を紙のままにするかデジタルにするか、迷っているところもあるでしょう。デジタル教科書は、キーワードで検索ができたり、知らない言葉に辞書が連動しているなどのメリットがあります。一方で、デジタル教科書が想定しているキーワード検索をして適切な箇所を参照したり、辞書機能を自ら使いこなすことは、高学年であっても困難であることが上記授業録からもわかります。

国立情報学研究所等の研究グループや教育のための科学研究所が行ったこれまでの研究成果から、以下のようなことがわかっています。

  1. 県立偏差値上位の高校であっても、デジタル化した教科書を自由に検索をして記述式問題(日本史)に答えるタスクの正答率が極めて低かった。一方、ほとんどの生徒が、「答えが書いてあるページ」は検索によって表示していた。つまり、検索の技巧が低いというより、検索して目的のページを表示しても、そこを読み解く力がないため、タスクに失敗したと考えられる。
  2. A町の小中学校において、RSTをふりがななしと総ルビをつけた状態半々で実施し、正答率を比較した。その結果、全学年で、ルビあり・なしで正答率は統計的に有意な差がなかった。加えて、小学6年生から中学2年生までは、ルビを活用していないと思われる(問題文を読む時間が有意に伸びていない)一方、中学3年生は問題文を読む時間が有意に伸びたので、ルビを活用したと考えられる。ただし、その中学3年生も正答率は上がっていない(むしろ下がった)。

デジタル教科書には、紙と異なり、様々な「押すことによって状態が変わるボタン」(リンクやルビ等)があります。小学生では授業中に集中が切れると、こうしたボタンを次々に押してしまい、元に戻ってこられなくなるという現象がよく見られます。

紙とデジタルを選ぶ上で参考になれば幸いです。

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