2020年7月の記事一覧

F-laboを再開しました(rst-labo ふくしま)

rst-labo ふくしま(通称:F-labo)では毎月例会を開催し、福島県内の小学校から大学まで多くの先生方がリーディングスキルについて自発的に学びあいを行っています。

新型コロナウイル感染症の拡大を受けて、しばらく開催を見合わせていましたが、7月25日(土)に郡山市労働福祉会館で5カ月ぶりの開催となりました。

開催にあたっては、郡山市のガイドラインに基づき、マスク着用、密にならないような座席配置、消毒液の準備などを徹底しました。

まず、平田村立蓬田小学校の佐藤春奈先生から、視写と音読についての実践報告がありました。視写では視写用のシートを使い、3分間で教科書の文書を写し、ペアで誤字脱字をチェックし、何文字写せたかを記録します。シートにして蓄積することが、子どもたちの達成感につながっているそうです。また、音読では「音読タイム」を設け、当該学年以降の教科書の文書を読ませているそうです。視写と音読の両方を取り入れることで、「言葉のまとまりを意識するようになった」などの子どもたちの変容がみらたことが報告されました。

次に、いわき市立湯本第一小学校の徳永一夢先生からは、RSの6つの観点をどのように授業に取り入れているのか、7つの実践報告がありました。例えば、4年算数「角の大きさ」の単元では、「オセロの実況中継」(『AIに負けない子どもを育てる』の204ページ)を参考に、分度器の使い方を言語化し、それに基づいて分度器を使う授業を行ったそうです。授業を通じて、定義の重要性を子どもたちは感じたようです。また、授業を行うにあたっては、リーディングスキルテストのための授業を目指すのではなく、教科の本質にせまることが大切であると報告がありました。

当研究所研究員の目黒朋子からは、2月に開催された板橋区立第六小学校の研究授業報告を行いました。報告では、1年算数「ずをつかってかんがえよう」、3年理科「じしゃくにつけよう」、4年理科「物のああたたまりかた」、5年社会「社会を変える情報」において、RSのどの観点を意識して授業が組み立てられているのかが紹介されました。

 

当日は、当研究所研究員の菅原真悟による作問ワークショップも開催しました。

菅原からは、子どもたちがどのような文を読むのを苦手としているのかを、問題を作る過程で考えることがワークショップのねらいであると趣旨説明をし、それから小学校から高校までの教科書を用いて、「係り受け」と「照応解決」の問題を実際に作ってみることに参加者全員で取り組みました。

自分たちで実際に問題を作ってみることで、文の構造を理解するとはどのようなことなのか、子どもたちはどのような文を読むのを苦手としているのかを、あらためて考えるきっかけになったようです。

 

F-laboでは、今後も定期的に例会を開催し、子どもたちの読解力育成方法を検討する取り組みを、先生方の実践を通して発展させていきます。

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講演を行いました(HITOWAキッズライフ株式会社)

 HITOWAキッズライフ株式会社は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、北海道を中心に認可保育園、保育所を運営しています。

 同社では子どもの育成・保育活動に生かすことを目的に、社員(保育者)を対象としたリーディングスキルテストを実施し、受検後のサポートとして当研究所の目黒上席研究員が講演を行いました。

 講演では「AI時代に求められるリーディングスキルとは」と題し、受検結果の講評及び結果をどう仕事に活かすか、また、子どもたちが生きていく時代を見据えたリーディングスキルの必要性についてお話ししました。

  保育園の園長先生が対象の講演会ということで、子どもと接する身近な大人である先生方が使う言葉が、いかに子どもたちのリーディンクスキルに影響するかをふまえ、「子どもの話す機会を奪わない、読み聞かせなどの機会を数多く持つ、ごっご遊びを通して言葉の概念を獲得させる、自然界の営みを観察する十分な機会を与え五感を働かせる」など、日々の保育現場での有効な手立てについてもお話しさせていただきました。

  新型コロナウイルス感染防止のため、会場参加ではなくオンラインによる講演となりましたが、約90名の受講者は熱心に聴講され、「講師のお話が明瞭明快で非常に興味深かった」「リーディングスキルは強いチームづくりに必要だと感じた」など多くの感想が寄せられました。

(RST事務局)

HITOWAキッズライフ株式会社
https://www.hitowa.com/kids-life/

 

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