研究授業に参加しました(板橋区立板橋第七小学校)

2月18日(月)、板橋区立板橋第七小学校において基礎的な読解力を高めるための研究授業が実施され、当研究所代表理事・所長の新井紀子と研究員の菅原真悟が助言・指導を行いました。

 今回の研究授業は、小学校6年生理科の「電気と私たちのくらし」の単元で行われました。本時の授業のねらいは、電気を蓄えたコンデンサーを豆電球や発光ダイオードにつないで、どちらが長く明かりがついているかを比較することで、発光ダイオードの方が効率的に電気を使っていることに気づくことです。

本時の実験は、黒板に書かれた手順に従って進めていきます。まず手回し発電機を50回まわしてコンデンサーに電気をためます。その後、電気をためたコンデンサーを発光ダイオードと豆電球にそれぞれ接続し、電気がついている時間を調べます。実験の結果を自分なりの言葉でまとめて、そのあとグループで実験から分かったことを話し合います。

 

黒板に書かれた実験手順を読み、どのように実験を進めたらよいかをイメージしながら、手順どおりに実験を行うことは、「イメージ同定」の力の育成につながります。また、これまでの学習内容と本時の実験結果をもとに、どのようなことがいえるかを考えることは「推論」する力を育成することにもなります。

 

このように、発電機やコンデンサーを使った理科の授業は、昔から行われてきた授業ではありますが、けっして古いものではなく、子どもたちがAI時代を生きていくうえで必須となる基礎的読解力を育む授業にすることが出来るといえるでしょう。

 

研究授業のあとの協議会では「今日の授業がどうだったか」という議論が中心になりましたが、新井からは、まず最初に「今日の授業が成り立つ環境づくりができていることが素晴らしい」とコメントしました。

今回の実践校の特色として、さまざまな場面を活用しながら、書くことの指導に力をいれていることがあげられます。その一例として、6年生の児童は、日頃から子ども新聞の記事を100字にまとめ、さらに100字で自分の意見を書くという宿題を行っています。宿題は担任がきちんと確認し、丸付けをして児童に戻すことで、子どもたちのやる気につながっているようです。こうした地道な指導があることで、板書を写すことや、実験結果を文章にまとめることがしっかりでき、今回の授業が成り立つ土台になっていました。

次に、RSTはあくまでも診断をすることを目的に作ったテストなので、RSTに出てくるような問題を解くことを授業でしなければいけないとは考えないでほしいと助言しました。授業において、言語情報と非言語情報を全員が正確につなぐことができているかを、先生方が気をつけて確認することが出来ていれば、それは「イメージ同定」の授業であり、言葉の定義を確認し強調する場面があれば、それは「具体例同定」の授業といえます。

協議会の後、先生方からは「授業をがらっと変えなければいけないのではなく、ちょっとした「意識」を持てばよいとわかってすごく安心した」「良かれと思って作ったプリントの穴埋め教材が、書く力をかえって低下させているのではないかと反省した」などの意見が多く出ました。

板橋区での基礎的な読解力を高めるための研究授業は、今年度は今回が最後となります。研究授業を何度も行う中で、先生方の間に子どもたちの読解力を育成することをひとつの柱として、授業を改善しようという意識が定着してきたように感じられました。

なお、板橋区では、来年度以降も同様の研究授業を行っていく予定です。