北海道八雲町教育委員会で講演を行いました

7月27日(水)、『令和4年度八雲町確かな学び推進会議「八雲町学びセミナー」』において当研究所上席研究員の目黒朋子がオンラインで講演を行いました。

 八雲町教育委員会では昨年度より小学6年生から中学3年生まで(今年度は小学5年生から中学3年生まで)悉皆でRSTを受検しており、今回の講演は、昨年度に引き続き行われたものです。

 講演では、まず、昨年度と今年度の受検結果を比較したデータ分析について説明を行いました。
すべての学年で能力値に伸びがみられましたが、箱ひげ図を見ると、それぞれの分野の分散が大きいことが分かりました。
苦手分野(5段階評価の1)を持つ児童生徒がいることも考え合わせると、分散を少なくし、中央値をあげていく必要があることも分かりました。
講演では、学年ごとの分析結果について解説しましたが、児童生徒の個別のデータについても各種学力調査の結果とRSTの受検結果の相関を見るなど、分析結果を指導の改善に反映させていくことも重要であることをお伝えしました。

 次に、板橋第二小学校の山田禎文先生が考案した授業案をもとに、リーディングスキルを活用した授業づくりについて説明を行いました(下記リンク先参照)。
使用した教科書は「小学社会5」(教育出版)の156~157ページです。教科書見開き2ページには、本文だけではなく、写真やグラフなどの資料、問い、コラムなどが載っており、それらの多様な情報を本文と結び付けて読み解く必要があります。
大学共通テストにおいても、あらゆる科目で図や文章などの複数の情報を踏まえて関連を読み解く問題が増えています。小学校の段階から、教科書見開き2ページの内容をリーディングスキルを使って読み解き、自らの考えをまとめていく訓練が必要であることは言うまでもありません。(参照:板橋区学びのエリア「板橋のiカリキュラム開発重点校」研究授業が実施されました。)
リーディングスキルは学習の基盤となる“学習スキル”の一つです。児童生徒がリーディングスキルを生かして問題解決できる授業づくりを「教科書」を使ってすべての教科で取り組むことが重要であることをお伝えしました。

 最後に、目黒から、ねらいを考えずに、子どもと同じ気持ちで教科書の文章に向かい、教員一人ひとりが「教科書を使い倒す授業」を改めて考えることを日々の授業づくりの中で行ってほしいとアドバイスしました。

○板橋区学びのエリア「板橋のiカリキュラム開発重点校」研究授業が実施されました。(2020年12月5日)