カテゴリ:講演会

寒河江市教育委員会「令和4年度 寒河江市教育研究所 第1回課題研究部会」で講演を行いました(2)

6月1日(水)「令和4年度 寒河江市教育研究所 第1回課題研究部会」において、当研究所上席研究員の目黒朋子がオンラインで講演を行いました。

 今回の講演は、5月20日の当研究所主席研究員の菅原真悟が行った講演(RSTの受検結果分析)に続いて行われたもので、RSTの分析結果をどのように授業づくりに結びつけるかについてお話いたしました。

 まず、読解力(RS)を視点に授業づくりを行うためには、教育委員会と学校が「一枚岩」となって、組織的・系統的に取り組む体制づくりが重要です。RSTを受検しただけでは児童生徒の読解力は向上しません。
先進的な自治体の取り組みを参考にしながら、寒河江市の児童生徒の実態に即した「寒河江市授業づくりプラン」を構築するようアドバイスを行いました。

次に、教員が「解像度高く教科書を読む」ということはどういうことなのか、実際の教科書の文章を提示して、RSTの6分野7項目のどのスキルを使って読めばよいのかをお伝えしました。
また、分散が大きすぎると一斉授業での個別対応は難しいという現状を踏まえ、RS先進自治体である東京都板橋区や福島県で行われている、視写、音読、共書きなど、児童生徒の学びの基礎体力を耕していく取り組みについても紹介いたしました。

 講演終了後、西根小学校の原田浩治校長より、「教育委員会と学校が一枚岩になって取り組むことが重要であること、まずはねらいを考えずに、子どもと同じ気持ちで文章に向き合ってみること、全ての教科で取り組んでいくことの重要性を感じた。」とのお言葉をいただきました。
寒河江市教育委員会の布川指導主事からは、「RST受検後にダウンロードできる、『ふりかえりプリント』をどのように有効活用するか、研究部会の先生方と考えていきたい。」とのお話もいただきました。

 

 

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寒河江市教育委員会「令和4年度 寒河江市教育研究所全体研修会」で講演を行いました

5月20日(金)に寒河江市教育委員会で開催された「令和4年度 寒河江市教育研究所全体研修会」において、当研究所主席研究員の菅原真悟が講演を行いました。
当日の講演はzoomを用いたオンラインで実施され、寒河江市の教員およそ約250名の参加がありました。

講演では、まずRSTの開発の経緯と、AI・DX時代になぜ読解力が求められるのかを説明し、その上で、RSTで出題している6分野7項目について、それぞれの出題のねらいについて解説しました。

続いて、今回のRSTの受検結果(csvファイル)の分析方法について説明しました。まずマクロ的視点での受検団体全体の分析と、ミクロ的視点での個々の受検者の分析について、それぞれ分析結果を報告しました。

最後に、今回の受検結果をふまえた授業改善について、子どもたちの読解力育成のために、どのような点に注意して取り組めばよいのか、どのように教科書を読み込めばよいのか、など例を用いて解説を行いました。

講演後に、「読書量や読書好きとの関係はあるのか?」といった質問があり、以前行った調査で、「読書が好き」「本をよく読む」などのアンケート項目とRSTの結果に相関を調べたが相関は見られなかったと回答し、今回受検した学校でも、学校が持っているアンケート調査結果などのデータとRSTの結果との相関を見てほしいとお伝えしました。

参加者からは、「RSTについて理解が深まった」「教科書を解像度高く読むことの重要性が分かった」といった感想をいただきました。

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和泉市教育委員会で講演を行いました

5月20日(金)、和泉市教育委員会の教職員研修会において、当研究所上席研究員の目黒朋子がオンラインで講演を行いました。
和泉市では今年度より中学生と先生方がRSTを受検し、その結果を分析・活用し、授業改善・学力向上を目指す取り組みを始めました。

 ここ2年間の大学共通テストの問題を見てみると、全ての教科において「読解力」が求められていることは明確です。
さらに、学習指導要領の改訂や今年度の学力学習状況調査からも「知識中心型から課題解決型へ」学びを変えていこうというメッセージを読み取ることができます。
そして、「学びを変え、読解力を向上させる」第一歩は、子どもたちは教科書を読めていないことを前提とした授業改善ではないでしょうか。

これらのことを踏まえ、今回の講演では、目黒が主宰している「rst-laboふくしま(通称:F-Labo)」での様々な実践発表を例に、「リーディングスキルを活用した授業づくり」とは具体的にどういうことなのかをお伝えしました。
音読や黙読ができていても、意味が分かって理解できているとは限りません。「それ」や「この」なのどの指示詞が何を指しているかわかっているでしょうか? 省略されている主語を補って読めているでしょうか? 教員がまず解像度高く教科書を読み、教科書に出てくる言葉にこだわり(「ひっかかり」)、子どもたちの学びを阻害する言葉に気づくことが大切です。
そして、教員が教科書の文章やグラフや図をリーディングスキルの6分野7項目の視点で読むことは、「子どものつまずきや困難さを予測できる」⇒「教員の指示や発問が変わる」⇒「授業が変わる」という授業改善に結びつくことをお伝えしました。

 RSTはあくまでも読解力の診断を目的として開発されたテストです。RSTの点数を上げることを目指すのではなく、教科・単元のねらいの達成のために、毎時間、教員がリーディングスキルを視点に授業を考え、実践していくことが重要であるとお伝えしました。

 担当の五島指導主事からは、「中学生のRST受検結果は、小学校での指導にもつながる。講演内容を参考に、本市の進めている総合的な読解力(インプットーインテイクーアウトプット)の育成を目指した授業改善の取組みをさらに推進していきたい。」との感想をいただきました。

 

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埼玉県杉戸町教育委員会で講演を行いました

5月10日(火)に埼玉県杉戸町教育委員会で開催された「令和4年度杉戸町教育研究会」において、当研究所上席研究員の目黒朋子が「リーディングスキルを活用した授業づくり」と題した講演を行いました。

 講演では、まず、RST受検後にRST事務局から送付される受検者の分析結果(csvファイル)を活用した分析方法について説明しました。「リーディングスキルを活用した授業づくり」をするためには、RSTの結果を科学的かつ客観的に分析・把握することが必要です。
一つは「マクロ」の視点で、学習集団内の読解の癖やばらつきを散布図や箱ひげ図により分析・把握します。
もう一つは「ミクロ」の視点で、読解に特徴ある個人や子ども一人ひとりの読解力の実態を分析・把握します。
そうすることにより、学習集団や個人の実態に応じた手立てや支援等を考え、授業実践することが可能になります。

 次に、教員が「解像度高く教科書を読む」ということはどういうことなのか、実際の教科書の文章を提示して、RSTの6分野7項目のどのスキルを使って読めばよいのかをお伝えしました。
また、教科書は教科による独特な表現もあり、児童生徒によってそれが読解を困難にしている可能性があります。
例として、社会科の教科書でよく見る表現である「連用中止法」を示して、社会科をよく理解するにためは、連用中止法のうちで、どれが原因で、どれが並列かを、読み解く力が大切であることもお伝えしました。

 最後に、板橋区教育委員会や福島県教育委員会で実践されている、授業実践事例について紹介し、RSTから授業を「逆算」して構築していくことの重要性についてお話しました。


参加者からは、「RSTの意義や、教科書を読むことの難しさと大切さを改めて感じた。」

「照応解決の「これ」「それ」等の指示語やゼロ照応などを確認しながら授業を進めたい。」等の感想をいただきました。

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大阪市教育センター「言語能力育成研修」で講演をします。

大阪市は全市を挙げて読解力向上に取り組んでおり、その中でRSTを導入する学校が増えています。RSTを導入する学校が増えれば増えるほど、「(うちの学校の生徒の読解力が)低くて分散が大きいことはわかったけれど、指導要領の内容も教えきらないといけないし、コロナ対策もあるし、それでなくても多忙なのに、これ以上どうすればいいのだろう?」という気持ちになるのは自然なことだろうと思います。

大阪市教育センターでは、今年度、全小中学校1枠で教員がRSTを体験した上で「言語能力育成研修」を受講する、という「言語能力育成研修」を企画しました。その研修部分の講演を新井紀子が担当し、先日収録が終わりました。

講演では、実際に中学校の理科の教科書を提示しながら、それを正確に読解するには、RSTでいう6分野(係り受け解析、照応解決、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定)が不可欠であることをまずお伝えしました。

RSTの観点は決して特殊なものではありません。テキストと、図表、グラフなどのRSTで言うところの『イメージ』で構成されている教科書の内容を児童・生徒が自ら進んで読み、理解する上で避けて通ることができないものです。リーディングスキル(RS)が低い児童・生徒は、教科書を読み解くことを諦め、プリント学習や暗記学習に流れてしまいます。そういう学習では、自ら学ぶ中で好奇心がかき立てられ、さらに学ぶという好ましいサイクルを望むことは難しいでしょう。

遠回りに思えても、発達段階に合わせてRSや語彙量を伸ばすことで、「読んで理解して興味を深める」ことにつながるのです。逆に言えば、RSがない状態では、一過性の興味をひく『おもしろい授業』や最適化したデジタルドリルだけでは、教員側が期待するような学びの持続は期待し難いといえるでしょう。

これまでのRSTのデータから、入試がない公立中学1年生に比べると、同じ地域の中高一貫の公立高校の中学1年生の方がRSが圧倒的に高いことがわかっています。また、ある県の3年間の調査から、県立高校の偏差値とその高校に入学した高校1年生のRSTの能力値の平均値との相関係数が0.85あることがわかりました。県立高校の入試では、学力テスト・内申書等を総合的に判断しますから、総じてRSが高い生徒ほど、普段から学びに対して積極的に取り組む生徒だといえるでしょう。

講演では、RS先進自治体である東京都板橋区や福島県のF-Laboなどの事例を紹介しつつ、「普段の授業の中で」RSを意識した授業を進めるコツをお話ししました。

今回の講演で、いくつか質問をいただきました。以下、FAQとしてみなさんと共有します。

Q:小学5年生の担任をしています。自分のクラスの児童がどんな問題を解くことになるか知りたいです。RSTを受検するとき、大人向けではなく、小学生向を受検したほうがよいでしょうか。

A:RSTではその学年までに得ているはずの知識などで出題範囲を絞るとともに、学年配当漢字以外にルビをふるなどの配慮をしています。また小学生向けには「やさしい言い回しの指示文」が表示されます。一方、RSTの問題の難易度を見ると、出典によって難易度が大きく変わることはありません。つまり、小学校の教科書出典の問題でも、高校の教科書出典の問題でも、そのことだけで難易度が変わるということはありません。RSTは受検者の能力に最適化した問題を出題しますから、自分のクラスの「RSに課題がある子」がどんな問題を解くかを体験することはできません。むしろ、先生方は、「大人向けRST」を受検し、「自分が受け持っている子供たちは、数年後にはこういう文章も読解できるようにならなければならないのだな」と思いながら、今日の授業の設計をしていただくのが良いのではないかと思います。

Q:「イメージ同定」の「イメージ」とはどんなものを指しますか?イラストや写真ですか?

A:「イメージ=非テキスト情報」と考えてください。教科書には、図・表・グラフのほか、数式・譜面など様々な非テキスト情報が登場します。文章題を読解し、立式するという行為は、テキスト(文章題)からイメージ(式)を導く推論、あるいは同義文判定活動と考えることができます。

Q:やはりRSTを伸ばすには読書を奨励することがいちばん大切ですか?

A:読書を奨励すること自体は良いことだと思います。一方で、読書が大好きなのに、算数・数学や理科が不得意という児童生徒は少なくありません。それは、読書だけではRSTが提唱する「汎用的読解力」は身に着かないことを示しています。思い切って、読書の対象に教科書を加えてみてはどうでしょう。その日学ぶ教科の該当箇所を見開き2ページ読んでおくだけで、いつもより授業がわかる、という体験をさせてみると、子どもたちの教科書を見る目が変わるかもしれません。

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茨木市教育委員会で講演を行いました

茨木市教育委員会は、「一人も見捨てへん教育」を実現するため令和2年度から6年度までの5か年計画で「茨木っ子ネクスト5.0」というプランを策定しました。そのプランの4本柱の一つに「確かな言語力を育む」が掲げられ、小学校のモデル校3校において昨年度からRSTを受検し、確かな言語力を育むための授業づくりが行われています。

今年度は、当研究所上席研究員の目黒朋子が依頼を受け、「令和3年度茨木市教育委員会学力担当者会」において2回オンラインで講演を行いました。

1回目は2021年6月30日に開催され、「RSTの受検結果分析と生かし方」と題し講演を行い、RSTの受検結果を正しく分析しどこに処方箋をあてていくのかを明確にすることが必要であること、教員自身が教科書を解像度高く読んで授業づくりをすることが重要であることをお伝えしました。

2回目は2022年1月28日に開催され、初めにモデル校の先生からは今年度の読解力向上のための取り組みについて、茨木市教育員会の岡田指導主事からは「昨年度より係り受け解析や照応において、全体的に能力値が向上し低位層の児童が減少している」こと、「全国学力・学習状況調査においても、国語の『読むこと』で結果が良好であった」ことなどの報告がありました。その後、上席研究員の目黒が「リーディングスキルを意識した授業づくりとは」と題した講演を行い、実際の小学校5年生社会科のリーディングスキルを意識した授業の紹介と、リーディングスキルの観点で教科書を読み授業にどのように落とし込んでいくのかについてお伝えしました。

 

茨木市教育委員会では、来年度はモデル校を中学校にも広げ、小中連携して読解力向上に向け更に取り組んでいくとのことです。

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戸田市立笹目小学校で講演を行いました

戸田市教育委員会は、将来の予測が困難な時代においても、主体的に判断・行動し、よりよく問題を解決する資質・能力を確実に育むことをねらいとして、平成28年度より、リーディングスキル(以下RS)育成を最重要課題の一つとして授業改善に取り組んでいます。

2021年12月8日(水)に、戸田市立笹目小学校において研究委嘱発表会が開催され、当研究所所長の新井紀子が「AIに負けない子どもを育てる~リーディングスキル育成を通じて~」と題して講演を行いました。

まず、当日の研究授業で扱った「日本の工業の特色」の帯グラフを読み取ることは、小学5年生にとって難しい内容であるが、ただ知識を伝達するのではなく、グラフの読み方を学習スキルとして学ぶ良い授業であったと講評しました。

毎日の授業で意識して児童生徒の学習スキルを高めていくことが大切であり、例えば「分かっているよね。」と問うのではなく、どのように学べばよいかを教える授業や学習スキルが身に着いているかどうかをチェックする授業が全国に広まり、授業の質を向上させていくことが重要であると指摘しました。

講演では、2011年の東ロボプロジェクトからRSTプロジェクトをスタートさせた経緯やRSTの狙いについて紹介し、さらに、他の教育委員会が公表しているRSTと全国・学力学習状況調査(学テ)との相関や研究チームの分析をもとに、読解力を義務教育段階で身に着けさせることの重要性についても指摘しました。

当日は、オンライン配信が行なわれ、北は北海道から南は九州まで全国の教育関係者の視聴があったそうです。
また、戸田市教育委員会のFacebookでも当日の様子が公開されています。

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深谷市立南中学校で講演を行いました

深谷市立南中学校は、深谷市教育委員会から研究委嘱を受け、「RST(リーディングスキルテスト)を活用し、言語環境の整備と言語活動の充実を基にした学力向上の推進~学習の基盤となる資質・能力の育成を目指して~」を研究主題として、2年間の研究に取り組んできました。

2021年11月10日には「令和2・3年度深谷市教育委員会委嘱研究発表会」が開催され、研究授業の公開および2年間の研究成果が発表されました。当日は、当研究所主席研究員の菅原真悟が「RSTを活用した授業革新」と題した講演を行い、リーディングスキルの観点で教科書を読む方法や、実際の授業例の紹介をしました。

当日の様子は、深谷市教育委員会、深谷市立南中学校のHPにも掲載されています。

深谷市教育委員会 市教育委員会研究委嘱 研究発表会

深谷市立南中学校 深谷市教育委員会委嘱研究発表会

 

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燕市の研修会で講演を行いました

10月7日(木)に開催された「RST分析研修会(研究主任会)」において、当研究所主席研究員の菅原真悟が「RSTのねらいと結果の活かし方:AI・DX時代に求められる読解力を育む」と題した講演を行いました。

新潟県燕市は、子どもたちが人工知能(AI)に負けない能力を身に付けるために、「読解力」育成プロジェクトを今夏より開始しています。文章を正しく読み解けるかを測るためにリーディングスキルテストを全市立小中学校で導入し、分析結果を基に授業改善を進めています。

8月2日には、当研究所所長の新井紀子が「AIに負けない子どもを育てる」と題して「読解力」育成の重要性、必要性について講演を行いました。また、9月7日には、筑波大学附属小学校副校長の夏坂哲志先生から「算数の授業と読解力」と題して小学校算数科における「読解力」育成についての研修(第4回教科指導プロフェッショナル研修)を実施しています。

これらの講演・研修を受け、10月7日のRST分析研修会では、まずRSTの6つの観点についてあらためて解説し、今年の受検結果の分析、各学校の傾向についての分析結果を報告しました。どの学校でも読めている児童生徒と読めていない児童生徒の分散が大きく、特に、読めていない児童生徒の読解力を育成することが公教育の課題であると指摘しました。

また、読解力を育成するために、日々の授業の中に読解力を育成する観点を入れて授業を行うことが大切だとお伝えしました。

コロナ禍のため当日の研修会はオンラインでの開催となりましたが、市内の小中学校の研究主任および管理職の先生方30名以上の参加があり、また、当日の講演内容は、燕市内小中学校教職員限定の共有ドライブでも限定公開されました。

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北谷町で講演会を開催しました。

北谷町は沖縄県で最初にedumapの一斉導入を決めた自治体です。

台風が多く、また人口10万人当たりの新型コロナウイルス感染者数が多い沖縄において、edumapが導入され、保護者に対して迅速に緊急情報が伝わり、子どもたちの安全が確保されること、そして休校中の学びが保障されることは、「教育のための科学研究所」の願いです。

今回、代表の新井紀子が沖縄を訪問する機会に、北谷町を訪問させていただくことになりました。

会場となった浜川小学校は、多様なバックグラウンドをもつ児童の多い学校とのこと。Chrome(Googleが提供しているブラウザ)を活用すれば、edumapを使った学校ウェブサイトの情報は多言語翻訳されること、保護者の多くがスマートフォンでアクセスしてくることを前提に設計されていること等をお話すると、新型コロナウイルス対策をとった上で、edumap研修会を開き、全校スムーズに導入したいとのことでした。

edumapの説明の後、リーディングスキルテスト(RST)や、RSTの全数・縦断調査をしながら、読解力を幼稚園・保育園から中学卒業までにすべての子どもに身に着けさせようと独自のカリキュラムを設計している板橋区や、研究授業の共有をしている福島県の例をご紹介しながら、「科目に偏らない汎用的読解力」とは何か、そして、なぜそれを身に着けさせることが重要なのか、また、なぜそれが(子どもが自由に本を選ぶ形式の)読書の奨励だけでは達成が難しいか、ということを、①教科書に書かれている具体的な文章の比較、②本による語彙数の偏り、③物語の筋を追う読み方では理数科等で求められる論理的な読みがなかなか身に付かないこと、などをお話し、「教科書を日々、しっかりと深く読み込む」ことの重要さをお話ししました。

 

 

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