導入事例

導入事例

奥羽大学薬学部(福島県郡山市)

奥羽大学は歯学部、薬学部を有する福島県の大学です。
薬学部では昨年に引き続き今年もリーディングスキルテスト(以下RST)を導入されました。薬学部教授の大島先生と准教授の伊藤先生から、RSTを導入した経緯や受検の感想などを当研究所の目黒朋子上席研究員と事務局が伺いました。

 

  (目黒)リーディングスキルテスト(以下RST)を取り入れた経緯を教えてください。

  • 毎回講義の後に、講義内容のコメントシートを書かせているが、教えた内容を明らかに誤解していると思われるコメントがあり、授業の内容をとらえきれていないのでは、と学生の理解力に不安を感じていた。どの能力を高めれば国家試験の問題が正しく理解できるようになるのか考えていた時に、新井先生の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」を読んで、まさにこれだ、と思った。
  • 学生たちに日本語力がないと日ごろから感じていたが定量化ができずにいた。過去にほかの日本語のテストも利用したが、テスト結果と学力との相関はなく、RSTなら結果を授業の成績と比較できるのではないかと思い取り入れた。

 

(目黒)RSTを受検していかがでしたか、特に昨年と今年の受検で変化はありましたか。

  • 昨年度受検して5段階評価で3以下の学生に対して、文章読解のオンライン講座を行い、そのうえで今年度にもう一度受検してもらった。その受検者の結果を分析したところ、係り受けはわずかに下がってしまったが、推論、イメージ同定は上がっていたので、講座の効果が出て良かった。
  • 今回の結果も解析して、学部全体で共有したい。夏休みには特別講座の開講を計画している。

 

(目黒)国家試験の自学自習をするためには、同義文判定のスキル向上が必要であると思います。そのあたりの取り組みについてはいかがですか。

  • 学生の目標である薬剤師国家試験は、単純な暗記では歯が立たない。問題文を時系列で理解して、答えを導き出す必要がある。加えて、法規の問題はそもそも法令の条文が正確に読めることが前提になっている。こうしたことから、正しく問題文を理解する力が不可欠。
  • 国家試験は、今の学生が受験するころはスーパーX方式(※選択肢中、正答がいくつあるか明示されない出題形式)となる可能性もあり、ますます同義文判定ができないと受からないと感じている。
  • 英語では同義文判定の問題は多いので、英語で行なっている問題作成の技法を日本語の授業でも取り入れてみるのも一案だと思う。
  • 6年の課程を通じて学習成果とリーディングスキルの関連を経年で追う場合、同じレベルのテストの結果で比較をしなければ変化を見ることができないが、そういうテストは少ない。その点、RSTは学年ごとの学力に左右されない為、経年変化を見るうえでとても良いテストだと思う。
  • 他学年も受検を検討したいが、上級学年は、実習などが増え、時間的な制約で受検が難しい。しかし、5年生くらいで一度受検するのは良いかもしれないと考えている。

 

(事務局)薬学部に限らず、国家試験が最終目標にある学校からの受検の問い合わせが増えています。

  • 入学時の学力はバラバラでも、国家試験は全員同じものを受けることになるので、最終的にはそのレベルまで学生の力をもっていかなければならない。それをどうやっていいかを悩んでいる学校は多いと思う。

 

(事務局)今年度から受検の申込をオンライン化しましたが、昨年と比較していかがでしょうか。

  • オンライン申し込みになり、自分の時間のある時に手続きが出来るので、とてもスムーズに進められて助かった。申し込みの案内ページも、よく読むとわかりやすく書かれている。
  • 受検する機関だけの「RSTサポートルーム」内の掲示板も、似たような疑問と回答の情報を共有する点ではとてもいい案だと思った。

*7月より、福島県内の小・中・高校および奥羽大学の先生方が協働で、RST研究会(仮称)を開催する予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 


戸田市立笹目東小学校

戸田市立笹目東小学校の取組について

 本校では、校内研修で「教科書を正しく読める力」と「他人と協力してやり遂げる力」を身に付けさせることを目指し、主体的な学び合いを可能にするリーディングスキル(以下RS)を育む授業づくりの研究を進めてきました。年間を通して、「本校におけるRS育成とは」「各教科等におけるRS育成とは」について、授業を通した実践研究を低・中・高学年で行ってきました。

第3学年体育科での実践では、器械運動(単元名「トン・パン・ピタッでフワッと大きく跳び越そう~跳び箱運動~」)において、毎時間、めあてで示された動きを、児童が(言葉を用いて)伝え合ったり、動きで再現したりする時間を設定していきました。特に「ピタッ」と着地をしようというねらいで行った授業では、まず、「ピタッと」だけでは様々な動作がイメージできてしまうことを教師がおさえた後、友達の範例を見たり、動きからポイントを話し合ったりすることによって、理想とする着地の姿勢を共有することができました。

一つ一つの言葉がもつ意味、またはそのイメージを正しく定めたり共有化したりすることが体育の授業でも重要であることを実感できた授業となりました。このような授業を通して、RSの中のイメージ同定を育成することを目指します。

 

 

 

 

 

戸田市立戸田第二小学校

戸田市立戸田第二小学校の取組について 

本校では、リーディングスキル(以下RS)の視点に基づく授業実践等を通して、子供たちに正しく読み取る力や正しく表現する力を育成することを目指しています。以下これまでの授業実践等の一部を紹介します。

 

算数では、第5学年「単位量当たりの大きさ」の単元末に、全国学力・学習状況調査のB問題をアレンジした問題場面を設定し、授業を行いました。この授業では、文章や表、グラフからそれらの情報を正しく読み取ることを通して、児童が問題文で「問われていること」に正対し、考えを説明できることをねらいとしました。導入では、与えられた情報の他に「どのような情報」が不可欠であるのか、4つの選択肢から答えさせる場面を設定しました。選んだ選択肢を発表し合うことで、個々の問題文の解釈の違いがより明らかとなり、問題文を正しく読む必要性を共有することができました。このように問題に正対し、表やグラフ等から情報を読み取る活動を通して、RSの中でも特にイメージ同定、具体例同定を育むことを目指していきました。

 また、現在モジュール授業で、「スキルアップタイム」の時間を設定しています。

この取組は、右のようなプリントの問題に各自で取り組んだ後、どうしてそのような答えになるのか、友達同士で話し合うことを通して、問題文を正しく読み、論理的に思考・表現する機会を設けることをねらいとしたものです。問題例のように、低学年・高学年と難易度を変えた問題にチャレンジしています。